家電を捨てようとして、粗大ごみの申込で受け付けてもらえなかった。この経験がある方は少なくないはずです。家電には、自治体のごみとして出せる物と、出せない物があります。分かれ目は品目そのものではなく、どの法律の対象になっているかです。
関係する法律は3つあります。家電リサイクル法、資源有効利用促進法、小型家電リサイクル法です。この3つのどれにも当てはまらない家電だけが、自治体のごみとして出せます。この記事では、手元の家電がどれにあたるかの見分け方と、それぞれの出し方、そして捨てる前に売れるかどうかを確かめる目安を整理します。
- 手元の家電が、どの法律の対象になるか
- 家電4品目を出す4つの方法と、料金の内訳
- パソコンと小型家電の出し先
- 捨てる前に、売れるかどうかを判断する目安
家電は、どの法律の対象かで経路が変わる
最初に、手元の家電がどれにあたるかを確認します。ここを間違えると、申し込んでも受け付けてもらえないか、受け付けられても収集日に持っていってもらえません。

家電リサイクル法の正式な名称は特定家庭用機器再商品化法で、対象になるのはエアコン、テレビ、冷蔵庫と冷凍庫、洗濯機と衣類乾燥機の4品目です。テレビはブラウン管も液晶もプラズマも含まれます。この4品目は、自治体の粗大ごみには出せません。
正式な名称は「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律」(平成24年法律第57号)です。対象になる品目は同法第2条第1項と、同法施行令第1条で定められており、28の区分があります。電話機、パソコン、プリンター、電動工具、調理家電、空調用機器、保温機器、理容機器、照明器具、時計、楽器、ゲーム機などが含まれます。
環境省の案内によるこの28区分は、金属を回収するための仕組みです。自治体が回収ボックスを置いていたり、認定を受けた事業者が宅配で回収していたりします。多くの自治体で無料なので、対象になる物は先にこちらを確認してください。ただし、自治体によって回収する品目が違うので、お住まいの自治体の案内で確かめる必要があります。

同じ「テレビ」でも、家電リサイクル法の対象になるテレビと、小型家電リサイクル法の対象になる携帯用の小型テレビでは扱いが違います。判断に迷ったら、自治体の案内で品目名と大きさの条件を確認してください。大きさで区分が変わる品目があります。
家電4品目の出し方は4通りある

エアコン、テレビ、冷蔵庫と冷凍庫、洗濯機と衣類乾燥機は、自治体のごみには出せません。代わりに4つの経路があります。

費用は2つに分かれます。1つはリサイクル料金で、これはメーカーが品目と大きさごとに定めており、どこに頼んでも同じ金額です。もう1つが収集運搬料金で、こちらは引き取る店が決めます。つまり、業者によって差が出るのは収集運搬料金のほうです。見積もりを比べるときは、この2つが分かれて書かれているかを確認してください。
最も安く済むのは、指定引取場所へご自身で持ち込む方法です。収集運搬料金がかからないためです。手順は決まっています。
- 製品のメーカー名と、テレビなら画面の大きさ、冷蔵庫なら内容積を確認します。リサイクル料金がこれで決まります。
- 郵便局で家電リサイクル券を購入します。振込用紙に品目とメーカーを記入し、料金を払います。
- 最寄りの指定引取場所を調べます。家電リサイクル券センターの案内で探せます。
- 家電リサイクル券を貼った製品を、受付時間内に持ち込みます。車と、積み下ろしの人手が必要です。
冷蔵庫や洗濯機は重く、階段のある住居から1人で運び出すのは現実的ではありません。持込で節約できるのは収集運搬料金の分だけなので、無理をせず、買い替えるなら配送と同時に引き取ってもらうのが確実です。
エアコンは取り外しの作業が別に必要です。取り外しの費用は、リサイクル料金にも収集運搬料金にも含まれません。壁掛けの室内機と屋外の室外機、配管をまとめて外す作業なので、電気工事のできる業者に依頼します。買い替えの場合は、取付工事と一緒に頼むと1回で済みます。
パソコンはメーカーが回収する
パソコンは資源有効利用促進法により、メーカーが回収する仕組みになっています。2003年10月以降に販売された家庭向けのパソコンにはPCリサイクルマークが付いており、この表示がある製品は無償で回収されます。マークがない製品は、回収の申込のときに料金がかかります。
パソコンは小型家電リサイクル法の対象でもあるため、自治体の回収ボックスや、認定を受けた事業者の宅配回収も使えます。メーカーが分からない自作機や、倒産したメーカーの製品はこちらが現実的です。
- 必要なデータを別の場所に移します。回収された後では取り出せません。
- 記録装置のデータを消去します。ファイルを削除しただけでは残ります。専用のソフトを使うか、物理的に取り外します。
- 各種サービスからサインアウトし、認証を解除します。台数に制限のあるソフトは、先に解除しないと次の機器で使えません。
- 取り外した記録装置を手元に残す場合は、別途処分の方法を決めます。
品目別に、出し先を一覧で確認する
よく処分する家電について、出し先をまとめます。自治体によって扱いが変わる品目があるので、最終的にはお住まいの自治体の案内で確認してください。
| 品目 | 出し先 | 注意すること |
|---|---|---|
| エアコン | 販売店または指定引取場所 | 取り外しの工事費が別にかかります |
| テレビ | 販売店または指定引取場所 | リサイクル料金は画面の大きさで変わります |
| 冷蔵庫、冷凍庫 | 販売店または指定引取場所 | リサイクル料金は内容積で変わります。中身を空にしてから出します |
| 洗濯機、衣類乾燥機 | 販売店または指定引取場所 | 取り外しに水道の栓の操作が必要です |
| パソコン | メーカーまたは認定事業者 | PCリサイクルマークがあれば無償。データ消去は自分で行います |
| 電子レンジ、炊飯器 | 小型家電の回収または粗大ごみ | 自治体によって扱いが違います。回収ボックスに入る大きさかで変わります |
| 掃除機 | 小型家電の回収または粗大ごみ | コードレス型は電池を外して別に出す自治体があります |
| 扇風機、加湿器 | 粗大ごみまたは不燃ごみ | 3つの法律のどれにも当てはまらないことが多い品目です |
| モバイルバッテリー | 回収協力店 | ごみに混ぜると収集車や処理施設の火災の原因になります |
捨てる前に、売れるかどうかを確かめる
家電は、処分に費用がかかる一方で、状態と年式によっては売れます。特に家電4品目は、処分すればリサイクル料金と収集運搬料金を払う側になり、売れれば受け取る側になるので、差が大きくなります。
判断の目安になるのが、メーカーが公表している補修用性能部品の保有期間です。多くの品目で製造が打ち切られてから6年から9年と定められており、この期間を過ぎると修理ができなくなります。中古の需要はこれを境に落ちるので、製造年がこの範囲を超えているなら、売ることに時間をかけず処分に回したほうが早く終わります。
| 状態 | 向いている先 | 確認すること |
|---|---|---|
| 製造から5年以内で動く | 買取業者 | 出張買取なら運び出しも任せられます。付属品の有無で金額が変わります |
| 製造から5年から10年で動く | 買取業者かフリマ | 値が付かないことがあります。先に査定額を聞いてから決めます |
| 製造から10年以上 | 処分 | 部品がなく修理できないため、中古の需要がほとんどありません |
| 動かない、破損がある | 処分 | ジャンク品として売れる場合がありますが、送料で赤字になりがちです |
製造年は、本体の背面や側面にある銘板で確認できます。型番と製造年が分かれば、フリマアプリで同じ物の売却済みの価格を調べられます。数百円にしかならない物に時間をかけると、処分そのものが止まるので、そこで切り上げてください。
買取を頼む相手にも許可が必要です。中古品の買取には古物商許可が、ごみの収集運搬には一般廃棄物収集運搬業の許可が必要で、これらは別の許可です。「買い取れない物は無料で引き取ります」と言われた場合、その引取にはごみの許可が必要になります。
リサイクル料金は、メーカーと大きさで調べる
家電4品目のリサイクル料金は、品目とメーカーと大きさの3つで決まります。同じ冷蔵庫でも、内容積が小さいものと大きいもので金額が違い、メーカーによっても差があります。頼む前に調べておくと、見積もりの妥当性を判断できます。

| 品目 | 区分 | リサイクル料金(税込) |
|---|---|---|
| エアコン | 区分なし | 550円または990円 |
| ブラウン管式テレビ | 15型以下 | 1,320円または1,870円 |
| ブラウン管式テレビ | 16型以上 | 2,420円または2,970円 |
| 液晶・有機EL・プラズマ式テレビ | 15V型以下 | 1,870円 |
| 液晶・有機EL・プラズマ式テレビ | 16V型以上 | 2,970円 |
| 冷蔵庫・冷凍庫 | 170L以下 | 3,740円 |
| 冷蔵庫・冷凍庫 | 171L以上 | 4,730円 |
| 洗濯機・衣類乾燥機 | 区分なし | 2,530円 |
差が出るのはエアコンとブラウン管式テレビです。エアコンはパナソニック、ダイキン工業、東芝ライフスタイルが550円、日立グローバルライフソリューションズが990円でした。ブラウン管式テレビの15型以下も、パナソニックが1,320円、日立が1,870円と分かれます。一方で冷蔵庫・冷凍庫と洗濯機・衣類乾燥機は、確認した範囲ではどのメーカーも同額でした。
注意したいのは、この表にはリサイクル料金しか含まれていないことです。運ぶ費用は別で、収集運搬料金として引き取る店が決めます。支払う総額は、この表の金額に収集運搬料金を足したものになります。見積もりを比べるときは、どちらを指した金額なのかを揃えて確認してください。
- 本体の銘板を探します。冷蔵庫なら背面か扉の内側、洗濯機なら背面か操作部の近く、テレビなら背面、エアコンなら室内機の前面パネルを開けたところにあります。
- 銘板に書かれたメーカー名と型番を控えます。あわせて、テレビなら画面の大きさ、冷蔵庫なら定格内容積、洗濯機なら洗濯容量を確認します。
- 家電リサイクル券センターの料金一覧で、メーカー名と区分から料金を調べます。
- この金額に、引き取る店が定める収集運搬料金を足したものが総額になります。
銘板が読めないほど古い場合や、メーカーがすでにない場合でも、料金の区分は決まっています。指定引取場所や販売店に品目と大きさを伝えれば確認できるので、分からないまま放置せず問い合わせてください。
家電がまとまって出るときは、順番を決める
1台だけなら経路を調べて出せば終わりますが、引越しや実家の片付けでは家電がまとめて出ます。この場合は、家電だけを先に切り分けてから、残りを考えます。家電4品目は自治体の粗大ごみにも、回収業者の積み放題にも含められないことが多く、あとから別料金として出てくるためです。

エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機が何台あるかを先に数えます。ここが別料金の対象になります。
買い替える物は新しく買う店へ。買い替えない物は指定引取場所か自治体の案内で出します。
4品目を抜いたうえで、残りの家財を業者に見積もってもらいます。当日の加算を避けられます。
引越しにともなって出る場合は、引越し日から逆算した日程が必要になります。家電4品目は自治体の粗大ごみに出せないため、粗大ごみの申込とは別の手配になり、見落としやすい部分です。全体の進め方は 引越しで家具を処分するときに、いつまでに何をするか にまとめています。
実家の片付けで出る場合は、その家電が誰の物かを先に確認してください。親が存命なら親の所有物であり、相続後に相続人が複数いれば共有になります。動く家電は売れることもあるので、処分に回す前に相続人の間で扱いを決めておくと、あとで揉めません。詳しくは 実家の片付けを業者に頼む前に確認すること にまとめています。
無料回収をうたう業者に家電を渡さない
家電4品目は、処分するのに費用がかかります。そこに「無料で引き取ります」と声をかけてくる業者が現れます。家電製品協会は、家電製品を安全に処分する方法として、違法な回収業者での処分に注意するよう呼びかけています。
問題は2つあります。1つは料金で、積み込んだあとに「型が古い」「積込料金は別」といった理由で高額な請求をされる例が報告されています。もう1つは、その後の処理です。家電4品目には、決められた再商品化の経路があります。無許可の業者に渡すと、その経路に乗らず、不法投棄や不適正な処理につながります。
依頼してよい相手かどうかは、許可で判断します。家庭から出たごみを集めて運べるのは、市町村長が出した一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者だけです。産業廃棄物の許可番号も、古物商の許可番号も、「正規登録業者」という表示も、これには代わりません。確認の方法と、無許可の業者が使いがちな表示の例は 不用品の処分方法を条件で選び分ける手順 に図でまとめています。
よくある質問
買い替えるなら、新しく買う店に引き取ってもらえます。買い替えない場合は、指定引取場所へご自身で持ち込むか、お住まいの自治体が案内する方法で出します。自治体によっては、許可を持つ収集運搬業者を紹介しています。
リサイクル料金はメーカーが品目と大きさごとに定めているので、どこに頼んでも同じです。金額に差が出るのは収集運搬料金のほうで、これは引き取る店が決めます。見積もりでこの2つが分かれているかを確認してください。
引越し業者の引取サービスで対応している場合がありますが、家電4品目は別料金になるのが通常です。積み放題の料金プランでも、4品目は対象外とされることが多いので、見積もりの段階で確認してください。引越しの日程から逆算した進め方は、別の記事にまとめています。
取り外しには冷媒の回収が必要で、作業を誤ると冷媒が大気に放出されます。電気と配管の作業でもあるため、業者に依頼してください。買い替えの場合は、取付工事と一緒に頼むと1回で済みます。
乾電池は自治体の指定する方法で出します。充電できる電池とモバイルバッテリーは、回収に協力している店の回収箱へ持ち込みます。ごみに混ぜると、収集車や処理施設で発火する事故につながります。ふくらんでいる物は特に注意してください。
まとめ
家電の処分は、どの法律の対象かで経路が決まります。エアコン、テレビ、冷蔵庫と冷凍庫、洗濯機と衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象で、自治体のごみには出せません。パソコンはメーカーが回収し、電子レンジや掃除機などは小型家電リサイクル法の28区分に含まれることがあります。この3つのどれにも当てはまらない家電だけが、粗大ごみや不燃ごみになります。
家電4品目の費用は、リサイクル料金と収集運搬料金に分かれます。前者はメーカーが定めていてどこでも同じ、後者は引き取る店が決めます。最も安いのは指定引取場所への持込ですが、重量物なので無理はしないでください。
そして、捨てる前に製造年を確認します。補修用性能部品の保有期間を過ぎた製品は中古の需要が落ちるので、そこを境に売るか処分するかを決めれば、迷う時間を減らせます。処分を頼む相手には、一般廃棄物収集運搬業の許可があるかを必ず確認してください。
許可を持っているかどうかは、ご自身で確かめられます。お住まいの市区町村名と「一般廃棄物収集運搬業 許可業者」で検索してください。福井市、京都市、大阪市、名古屋市のように、許可業者の名簿を公開している自治体が多くあります。名簿が見当たらない場合は、業者に許可番号を聞いたうえで、市区町村の廃棄物の担当課に電話で照合できます。
- 手放す家電の品目と製造年を控える
- エアコン、テレビ、冷蔵庫と冷凍庫、洗濯機と衣類乾燥機なら、購入した店か自治体の案内で引取方法を確認する
- それ以外を回収業者に頼むなら、許可番号を聞いて名簿と照合する
出典
- 経済産業省「家電4品目の正しい処分 早わかり!」
- 一般財団法人 家電製品協会「3秒でえらべる家電の捨て方・回収依頼の方法」
- 家電リサイクル券センター
- 環境省 中部地方環境事務所「小型家電リサイクル法の対象品目」
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号) 第7条第1項
対象品目や料金は改定されることがあり、自治体ごとに扱いも異なります。最終的な確認は、各機関の公式情報と、お住まいの自治体の案内でお願いします。
