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実家の片付けを調べると、まず出てくるのが業者の費用相場です。部屋数ごとの金額、安く抑えるコツ、おすすめの業者。ただ、その手前で決めておくことがあります。その物を処分してよいと決められるのが誰なのか、という点です。
実家にある物は、片付ける人の物とは限りません。親が存命なら親の物ですし、相続が済んでいても相続人が複数いれば、その物は相続人の共有になっています。ここを確認しないまま業者を呼ぶと、あとから家族の間で揉めることになります。この記事では、誰が決められるかの整理から始めて、業者に必要な許可、費用が膨らむ条件、先に探しておく書類までを順に扱います。
- 実家の物を処分してよいと決められるのは誰か
- 親が存命の場合と、相続が済んだ場合とで変わる進め方
- 業者が持つ許可と、民間資格の違い
- 費用が膨らむ条件と、下げる順番
- 片付けの前に探しておく書類と、遺言書の扱い
最初に確認するのは、誰が処分を決められるか
物を処分してよいかどうかは、その物を所有している人が決めます。当たり前のようですが、実家の片付けではここが曖昧になりがちです。長年帰っていない家で、親が施設に入っていて、きょうだいは遠方にいる。こうした状況で、来週業者に来てもらうと決めてしまうと、あとで問題になります。

所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
民法(明治29年法律第89号)親が存命であれば、実家にある物は親の所有物です。子どもであっても、親の同意なしに処分することはできません。帰省のたびに物が増えていく状況を見かねて、黙って捨ててしまうという話はよく聞きますが、これは所有者の権利を無視することになります。実務上は同意を取ればよいだけの話なので、先に確認してください。
相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。
民法(明治29年法律第89号)相続が始まっていて、相続人が複数いる場合は、家の中の物は相続人全員の共有です。遺産分割が済むまで、誰か1人の判断で処分することはできません。実際には、価値のない日用品まで全員の同意を取るのは現実的ではないため、あらかじめ「日用品と衣類は処分してよい、それ以外は写真を送って確認する」といった線引きをきょうだいで決めておくと進みます。
先に処分してしまうと、あとから「あれは価値があった」「勝手に捨てた」という話になり、相続の話し合い全体がこじれます。作業を始める前に、処分してよい範囲を文字にして共有し、当日は迷った物の写真を残しておくと、後の説明がつきます。
親が存命の場合は、使っている物と使っていない物を分ける

親が存命で、判断ができる状態なら、決めるのは親です。子どもの役割は、決めやすい形に整理して差し出すことになります。全部を一度に聞くと答えが出ないので、範囲を区切ります。
- まず物置、納戸、押入れの奥など、この1年使っていない場所から始めます。生活している場所から手を付けると、生活そのものが止まります。
- 1部屋ずつ、または1か所ずつ区切ります。「家じゅうを片付ける」という話にすると、親は身構えます。
- 捨てるかどうかではなく、使うかどうかを聞きます。捨てると聞かれると人は守りに入りますが、使うかと聞かれれば答えられます。
- 迷った物は保留の箱に入れ、期限を決めます。その日に結論を出そうとすると、作業が止まります。
- 売れる物は、金額が出てから決めます。金額が分かると手放しやすくなることがあります。
着物や骨董品は、粗大ごみに出すと値がつかないまま終わります。値がつくか分からない物だけでも先に査定に出しておくと、業者に渡す量そのものが減ります。出張査定は無料のところが多く、査定額に納得できなければ断れます。
判断が難しい状態にある場合は、家族だけでは決められません。日用品の整理を超えて、家財や不動産の処分にまで及ぶなら、後見などの手続きが必要になる場合があります。まずは地域包括支援センターや、お住まいの自治体の相談窓口で、どこまでが家族でできる範囲かを確認してください。
相続が済んでいる場合は、範囲を決めてから始める
相続人が1人であれば、その人の判断で進められます。問題になるのは相続人が複数いる場合で、遺産分割が済むまで家財は共有です。全部を集まって決めるのは現実的ではないので、先に区分を決めます。

| 区分 | 扱い | 具体例 |
|---|---|---|
| その場で処分してよい | 作業者の判断で進める | 食品、日用品の消耗品、古い衣類、破損した家具 |
| 写真で確認する | 処分の前に全員へ写真を送る | 着物、食器、家具、趣味の道具、古い家電 |
| 必ず残す | 一か所に集め、分割の対象にする | 通帳、印鑑、権利証、保険証券、貴金属、現金 |
| 専門家に見せる | 処分も売却もせずに保留する | 骨とう品、美術品、古銭、古い書画、刀剣 |
刀剣は所持そのものに登録が必要で、見つけた場合は最寄りの警察署に届け出る決まりになっています。古い家では珍しくないので、出てきたら手を触れる前に確認してください。猟銃や空気銃も同じです。
相続放棄を考えている場合は、片付けを始める前に専門家へ相談してください。相続財産を処分すると、相続を承認したものとみなされることがあり、放棄ができなくなる場合があります。価値のない物の処分まで該当するとは限りませんが、判断が難しい部分です。
業者が持っている許可と、民間資格を分けて見る
実家の片付けを頼む相手には、遺品整理業者、不用品回収業者、片付け専門の業者、買取業者などがあります。呼び名はさまざまですが、確認する点は共通していて、家庭から出たごみを運ぶ許可を持っているかどうかです。
この確認が形式的な話ではないことは、数字で分かります。総務省行政評価局が調査に協力した69事業者の許可の保有状況は次のとおりでした。
| 保有している許可 | 事業者数 |
|---|---|
| 一般廃棄物収集運搬業と古物商の両方 | 27事業者 |
| 一般廃棄物収集運搬業のみ | 7事業者 |
| 古物商のみ | 32事業者 |
| どちらも持っていない | 3事業者 |
家庭から出たごみを運べるのは、一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ事業者です。この表でいえば27と7を足した34事業者で、69事業者のうち半分にとどまります。最も多いのは古物商許可だけを持つ32事業者で、この形では買い取ることはできても、値がつかない物を運び出すことはできません。
つまり「片付け業者」と名乗っていても、処分まで任せられるかどうかは会社によって変わります。買取と処分の両方を頼むつもりなら、許可を2つとも持っているかを聞いてください。片方しかない場合、もう片方は別の業者に再委託されることになり、その分の費用が上乗せされます。

横浜市は、遺品整理や家の片付けを業者に依頼する際の注意点として、一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者に依頼できることを案内しています。あわせて、許可を受けていない事業者に依頼した場合として、回収された不用品が不法投棄された事例や、不適正な保管による火災が発生した事例を挙げています。遺品整理業者については、一般廃棄物収集運搬業の許可を持っているかを確認し、持っていない場合は別に許可業者へ処分を依頼する必要があるとしています。古物の買取には、別に古物商の許可が必要だとも書かれています。
一般廃棄物収集運搬業の許可。市町村長が出すもので、どの市町村の許可かまで確認します。
古物商許可。都道府県公安委員会が出すもので、買取の場面では本人確認が必要になります。
遺品整理士などは民間団体の認定です。丁寧さの目安にはなりますが、許可の代わりにはなりません。
もう1つ、横浜市が書いているのが分別です。遺品整理や片付けであっても、通常の家庭ごみと同じように分別が必要だとしています。まとめて持っていってくれる業者のほうが楽に見えますが、分別しない業者は、その先で適正に処理していない可能性があります。
許可の確認方法と、無許可業者が使いがちな表示については 不用品の処分方法を条件で選び分ける手順 の後半に図でまとめています。産業廃棄物の許可番号や古物商の番号を、家庭ごみを運べる根拠のように示す例があるので、そちらもあわせて確認してください。
費用が膨らむのは、量ではなく条件
実家の片付けの費用は、部屋数で示されることが多いのですが、実際に金額を動かすのは物の量と作業の条件です。同じ間取りでも、条件が違えば倍近く変わります。
費用の実像は、総務省行政評価局の調査で確認できます。実際の見積書75件を集計した結果は次のとおりでした。
| 見積金額 | 件数 |
|---|---|
| 10万円以下 | 7件 |
| 10万円超20万円以下 | 19件 |
| 20万円超30万円以下 | 23件 |
| 30万円超40万円以下 | 12件 |
| 40万円超50万円以下 | 5件 |
| 50万円超60万円以下 | 3件 |
| 60万円超100万円以下 | 4件 |
| 100万円超 | 2件 |
最も多いのは20万円超30万円以下で、10万円超40万円以下に75件中54件が集まっています。一方で100万円を超える見積もりも2件あります。同じ「実家の片付け」でも、10万円で終わる場合と100万円を超える場合があるということです。この差を作るのが、次に挙げる条件です。
同じ調査では、国民生活センターに寄せられた相談の集計も引かれています。契約金額の平均は約42万円、実際に支払った金額の平均は約30万円でした。そして支払手段は、9割以上が現金などでの即時一括払いです。作業当日にその場で払う形が大半なので、金額の確認は作業前に済ませておく必要があります。
| 条件 | 費用が上がる理由 | 下げる方法 |
|---|---|---|
| 物の量 | トラックの台数と作業の人数が増えます | 売れる物と明らかなごみを先に減らします |
| 分別されていない | 現場で仕分ける時間が加わります | 衣類、紙、燃えないごみだけでも分けておきます |
| 2階建てや階段 | 搬出に人手と時間がかかります | 2階の物を1階に下ろせる分だけ下ろします |
| 前の道が狭い | トラックを停められず、手で運ぶ距離が伸びます | 見積もりの前に道幅と駐車場所を伝えます |
| 庭や物置がある | 屋内と別に作業が必要になります | 見積もりの対象に含めるかを先に決めます |
| 家電や特定の品目 | 処理の経路が別に決まっています | 家電4品目、パソコン、消火器、金庫の有無を伝えます |
見積もりは必ず現地で取ります。電話や写真だけの概算は、当日に現場を見てから増えるのが通常です。複数社に来てもらう場合は、同じ日にまとめると、こちらの説明が1回で済みます。
費用を下げるのは、順番を守ることでできる
実家の片付けの費用は、業者を値切って下げるものではありません。業者に渡す物の量を減らすことで下がります。そのためには順番があります。

- 売れる物を抜きます。家電、工具、着物、ブランド品、事務用の家具、楽器。出張買取は1回で見てもらえるので、片付けの前半に呼びます。
- 自治体に出せる物を出します。粗大ごみは申込から収集まで日数がかかるので、売却の査定と並行して申し込みます。
- 親族や知人に譲れる物を渡します。仏具や写真、記念の品は、処分より先に声をかけます。
- 残った物だけを業者に見積もってもらいます。ここまで減らしてから呼ぶと、トラックの台数が減り、金額が下がります。
- 分別できる範囲で分けておきます。衣類、紙、金属、燃えないごみだけでも分けておくと、現場の作業時間が短くなります。
逆にやってはいけないのが、最初に業者を呼んで全部任せることです。楽ではありますが、売れる物の代金を受け取れないうえ、その物の処分費まで払うことになります。買取を兼ねている業者に頼む場合も、買取額と処分費が相殺されて明細が見えなくなることがあるので、それぞれの金額を分けて出してもらってください。
遠方に住んでいて何度も通えない場合は、この順番を守ろうとすると回数が増えます。その場合は、1回目に出張買取と業者の見積もりを同じ日にまとめ、2回目で作業に立ち会う形にすると、2回で済みます。交通費と宿泊費も費用のうちなので、回数を減らすほうが安くなることがあります。

作業の当日までに準備しておくこと
長く空いていた家では、当日になって作業が止まることがあります。電気が止まっていて室内が暗い、水が出ない、鍵が開かない、といった理由です。見積もりのときに一緒に確認しておいてください。
出張買取を呼ぶ場合に、契約を撤回できる物とできない物の線引きは出張買取で法律が守る物と守らない物で整理しています。
| 確認すること | 止まっているとどうなるか | いつまでに |
|---|---|---|
| 電気 | 室内が暗く、奥の部屋の作業ができません | 作業日の1週間前までに再開の手配をします |
| 水道 | 清掃ができず、追加の作業になります | 清掃まで頼む場合は必要です |
| 鍵 | 当日に入れず、作業そのものが流れます | 事前に開くことを確認しておきます |
| 駐車場所 | トラックを停められず、手で運ぶ距離が伸びます | 近隣の了解が必要なら事前に話をします |
| 近隣への挨拶 | 騒音や通行のことで作業が中断します | 作業日の数日前に声をかけておきます |
| 集合住宅の共用部 | 養生や作業時間の制限で当日に断られます | 管理組合または管理会社に事前に届け出ます |
集合住宅の場合、エレベーターの養生や、作業できる時間帯が管理規約で決まっていることがあります。搬出の量が多いと、通常の引越しと同じ扱いで届出が必要になります。当日に管理人から止められると、業者の待機時間が料金に乗るので、先に確認しておいてください。
当日は、可能であれば立ち会ってください。立会いなしでも作業はできますが、残す物と処分する物の判断を現場で伝えられなくなります。どうしても行けない場合は、残す物を1部屋にまとめて「この部屋は触らない」と伝えるのが確実です。
家電が多く出る家では、4品目を先に数えておくと見積もりが正確になります。エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機は自治体のごみに出せず、業者の積み放題にも含まれないのが通常だからです。品目別の出し先と、動く家電が売れるかどうかの目安は 家電の処分は4品目かどうかで出し先が変わる にまとめています。
片付ける前に、探しておく書類がある
業者に入ってもらうと作業は早く進みますが、紛れていた書類まで一緒に運ばれてしまうことがあります。相続の手続きに必要な書類は、片付けの前にご自身で探しておいてください。
| 探す物 | よくある場所 | 必要になる場面 |
|---|---|---|
| 預金通帳、キャッシュカード | 仏壇の引き出し、寝室のたんす | 口座の確認と相続の手続き |
| 実印、印鑑登録証 | 金庫、仏壇、押入れの奥 | 遺産分割協議書の作成 |
| 権利証、固定資産税の通知 | 書棚、金庫、押入れの書類箱 | 不動産の名義変更 |
| 生命保険の証券 | 書類ファイル、たんすの引き出し | 保険金の請求 |
| 年金手帳、健康保険証 | 仏壇まわり、玄関の引き出し | 年金と保険の手続き |
| 遺言書 | 仏壇、金庫、貸金庫、たんすの奥 | 相続の内容そのものが変わります |
| 借入の契約書、請求書 | 書類ファイル、郵便物の束 | 負債の有無の確認 |
この中で扱いに注意が必要なのが遺言書です。封がされている遺言書は、その場で開けてはいけないことになっています。

遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。(第1項) 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。(第3項)
民法(明治29年法律第89号)公正証書による遺言と、法務局で保管されていた自筆証書遺言については検認が不要です。それ以外の、家の中から出てきた自筆の遺言書は、封がされていれば開けずに、家庭裁判所へ提出します。開けてしまっても遺言が無効になるわけではありませんが、過料の対象になるとされています。
家をどうするかで、片付けの範囲が変わる
片付けをどこまでやるかは、そのあと家をどうするかで決まります。先に家の扱いを決めておくと、無駄な作業を減らせます。
| 家の扱い | 片付けの範囲 | 注意すること |
|---|---|---|
| そのまま売る | 室内を空にします | 引渡しの日までに完了させます。残置物は売主の負担で撤去します |
| 解体して売る | 家財のみ。建具や設備は解体に含まれます | 家電4品目など解体に含められない品目を先に確認します |
| 貸す | 室内を空にし、設備の点検も行います | 残す設備と撤去する設備を、管理を頼む会社と決めます |
| 空き家のまま持つ | 最低限。ただし放置はできません | 管理が不十分な状態が続くと、固定資産税の軽減から外れる場合があります |
解体するなら、家財以外は残しておいても解体費に含まれることがあります。壁に作り付けた棚や、古い畳、建具などは、片付けで運び出すより解体に任せたほうが安くなる場合があるので、解体業者に範囲を確認してください。

判断を保留したい物は、期間を決めて預ける
相続人の間で結論が出ない物、思い出があって今は決められない物は、無理に決めずに預けるという方法があります。ただし期間を決めずに預けると、月額の合計が物の価値を超えます。月8,000円を3年続ければ28万8,000円です。
預ける先には、外部の収納サービスのほかに、ご自宅の収納を使うという選択もあります。マンションにお住まいなら、建物に付属した収納や共用部の物置が使える場合があり、外部より安く済むことがあります。タイプごとの違いと、契約の型の確かめ方は マンションのトランクルームは3タイプあり、申込方法も契約の型も違う にまとめています。
よくある質問
相続人が複数いる場合、家財は共有なので、1人の判断だけで進めるのは避けてください。集まれないなら、処分してよい範囲を先に文字で決めて全員に共有し、迷った物は写真を送って確認する形にします。作業当日の写真を残しておくと、あとの説明がつきます。
捨てるかどうかを聞くと身構えるので、使うかどうかを聞いてください。始める場所も、生活している部屋ではなく、物置や納戸の奥から入ります。一度に全部を決めようとせず、1か所ずつ区切ります。親の所有物である以上、最後に決めるのは親です。
民間団体の認定資格で、丁寧さの目安にはなりますが、行政の許可ではありません。不用品の処分を頼むには一般廃棄物収集運搬業の許可が必要で、買取を頼むには古物商の許可が必要です。資格の有無とは別に、この2つを確認してください。
条件が揃っていない可能性があります。運搬費が含まれるか、階段や庭の作業が含まれるか、家電4品目が別料金か、表示が税込か税別か。この4点を揃えてから比べてください。安い見積もりが、当日に加算する前提であることもあります。
取り扱いに慣れている業者が多く、供養を手配してくれるところもあります。ただし別料金になるのが通常なので、見積もりの段階で確認してください。位牌や仏具は、菩提寺がある場合は先に相談すると、その後の手順が決まります。
相続財産にあたるので、処分せず、相続人の間で分ける対象にします。作業中に出てきた場合に備えて、見つけた物は一か所に集めて記録するという取り決めを、業者とも相続人の間でもしておいてください。
まとめ
実家の片付けは、業者を探すところからではなく、誰が処分を決められるかを確認するところから始まります。親が存命なら親の所有物であり、相続後に相続人が複数いれば家財は共有です。範囲を決めずに作業を始めると、費用の話ではなく、家族の間の話でつまずきます。
業者を選ぶときは、資格の名前ではなく許可を見ます。処分には一般廃棄物収集運搬業の許可、買取には古物商の許可が必要で、遺品整理士は民間団体の認定です。横浜市も、許可の有無を確認するよう案内しています。費用は部屋数ではなく、量と分別と搬出の条件で決まるので、現地で見積もりを取り、条件を揃えて比べてください。
そして、作業を始める前に通帳、印鑑、権利証、保険証券、遺言書を探しておきます。封のある遺言書は開けずに家庭裁判所へ提出します。この順番を守れば、あとから戻れない失敗は避けられます。
許可を持っているかどうかは、ご自身で確かめられます。お住まいの市区町村名と「一般廃棄物収集運搬業 許可業者」で検索してください。福井市、京都市、大阪市、名古屋市のように、許可業者の名簿を公開している自治体が多くあります。名簿が見当たらない場合は、業者に許可番号を聞いたうえで、市区町村の廃棄物の担当課に電話で照合できます。
- 処分してよい範囲を文字にして、親またはきょうだいに送って残す
- 着物、骨董品、貴金属は、捨てる前に査定に出す
- 業者に連絡したら許可番号を聞いて、市区町村の名簿と照合する
出典
- 総務省行政評価局「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」
- 民法(明治29年法律第89号) 第206条、第896条、第898条、第1004条
- 横浜市「遺品整理や家の片付けを業者に依頼する際の注意点」
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号) 第7条第1項
相続の手続きや後見については、個別の事情で結論が変わります。この記事は一般的な整理であり、具体的な判断は弁護士、司法書士、税理士などの専門家にご相談ください。法令は改正されることがあるため、最終的な確認は条文でお願いします。
